平成28年度 総務常任委員会他都市調査【一日目】

【一日目】10月31日(月) 富士市議会「中小企業支援施設について」
視察先:富士市産業支援センター(通称f-Biz)
「人が集いめぐるまちづくり」国内外に開かれた都市の活力創出戦略「どのような都市像を目指すのか」

1990年代以降のグローバル経済の進展や円高等に伴う生産の場の海外移転などにより、製造業を取り巻く環境は厳しさを増し、富士市の産業界も活力を失っていった。

富士市は古くは東海道の宿場町として、また近世では製紙業に代表される「紙のまち」として知られ、さらには自動車関連産業の集積など、工業の町「ものづくりのまち」としての印象が強い自治体である。

地場産業の沈滞化を受けて、富士市は2006年「工業振興ビジョン」を策定し、企業誘致・留置・新産業の創出・育成・異業種・産学官の交流・連携とともに、企業支援に向けた総合的な調整相談窓口となるワンストップ拠点の整備を打ち出した。これが、富士市産業支援センター(通称f-Biz)である。

富士市産業支援センター(通称f-Biz)は、公設民営で公的産業支援施設では全国に先駆けたビジネスコンサルティングによる課題解決型支援で実効性が高いのが特徴である。相談件数の多さと企業再生力の高さが評価され、経済産業省の「よろず支援拠点」のモデルとなっている。

その実績は全国で注目され、東京の豊島区・練馬区・巣鴨信用金庫・岡崎市・天草市などが相次いでf-Bizモデルとして立ち上がり、さらに今年度は、5都市の立ち上げが見込まれるほどである。

その原動力となったのが、小出宗昭氏である。氏は銀行出身でM&A担当などを経験し、創業支援施設への出向を経て独立し、現在、企業支援家として(株)イドムの代表を務める。イドムは、富士市産業支援センター(通称f-Biz)の運営を受託し、センター長には小出氏が就任している。

今回の視察では、小出氏が自らの理念と経験をお話しを伺う機会を得て、刺激をもらうことが出来た。
これまで、各自治体や金融機関、商工会議所が経営相談の窓口を設けているが、その効果や実績となると、首をかしげる場合が多い。その理由は多くの場合、相談企業の決算書や財務諸表の分析に終始することが原因である。その結果、無理な理由のみが挙げられ、展望を開くことが出来にくいことがあると思われる。従来型公的支援の欠点は①目標設定がない②責任の所在が不明確③ニーズをくみ取っていないなど、指摘があった。

富士市産業支援センター(通称f-Biz)では、経営上の課題や新事業・創業を計画している企業・団体・個人で、産業全般を対象に、各支援制度や資金援助等の紹介・提供のほか、「人」による支援とし、創意工夫と自主努力を怠らない企」業等に密着した個別支援を重視するのが特徴である。つまり、具体的でわかりやすい「結果」を出すことが重要であり、成功するかは「人」で決まるということである。

小出氏は、一言で言うと個性的な人物であった。話が進むにつれ、その人柄も窺うことが出来、地域産業の活性化に本気で取り組んでいることがよく分かった。それは、全国に広がりつつある、「f-Biz」モデルの動きに対応するセンター長の公募採用や成果次第の任期に表れている。

「地方創生」は政府方針ではあるが、何をすれば良いかは、各自治体が考えていかなければならない。あてがわれる交付金ではないのだ。そうした中で、必要なモノは「知恵」であり、今何が出来るか・今あるモノを有効に活かすことが重要である。

企業誘致よりも地元企業の活性化であるという、小出氏の話は深い意味を持つ。富士市同様、本市には「ものづくりのまち」としての土壌が存在する。150年前の横須賀製鉄所の開設以来、戦後は造船・自動車など輸送用機器を中心に磨かれてきた技術や設備がある。そうした技術を「f-Biz」に当てはめた発想が今後、絶対必要と考える。