平成27年度 生活環境常任委員会 他都市調査【一日目】


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【一日目】10月28日(水)名古屋市 中部リサイクル株式会社

本市のごみ処理で発生する焼却灰の受け入れ先の1つである中部リサイクル株式会社を訪問した。
本市の焼却灰の受け入れは、これまで中央電気(茨城県)・メルテック(栃木県)で行っており、同社での受け入れは昨年から始まったばかりである。そのため、未だ受け入れの実績は小さく、本市全体の排出量約1万154トンの内、約369トンに過ぎない量となっている。(平成26年実績)
同社は、都市ごみから発生する焼却灰等を「都市鉱山」と位置づけ、溶融還元石「エコストーン」の製造および枯渇が懸念される希少金属の回収を行っている。同社の理念として、将来に負の遺産として残る「埋立処分」に変わる有用な手法として、資源循環が可能となる方式を目指している。
伺ったところ、同社は精錬工場が発足時の業態で、そこで長年、使用していた電気炉を焼却灰の処理に利用する現在の状態になったとのことである。高効率の伝熱と熱損失の低減によりエネルギーの高効率利用が実現された省エネ型の溶融炉を設備している。
これまで私の知る範囲では、焼却灰を溶融した後、それを急冷してスラグ化することであった。そこで形成された溶融スラグは粒状であり、道路舗装の際の骨材として利用されるというものだった。
本市においても過去、そうした手法によって生産されたスラグが流通した時期があったが、燃料費の高騰と骨材の流通が減少したことで在庫が大量に残って処分に苦慮した例を見ている。
そこでの問題とは、炉の加熱に対する方法であり、骨材の利用の減少であった。
同社の溶融炉は電気炉であり、電気料金が発生するが重油を使用する方法に比べ、安定したコストでの処理が可能である。また同社では溶融スラグと呼ばずに溶融還元石と呼んでいる。
その理由は冷却する際に急冷を行わず、徐々に冷却する方法をとっている。そのため粒状にならず、再利用しやすい大きさの石状の「エコストーン」として、人口石として幅広い利用が可能との説明を受けた。
また、還元雰囲気により揮発した重金属類は非鉄金属として回収されるほか、銅・金・銀等の貴金属は溶融メタルとして回収され、新たな原材料として商品となっている。
コスト面で、他の処理方法との比較研究が必要と思うが、資源枯渇が懸念される現在、レアメタルなどの回収が課題となっているなかで、こうした資源循環型の焼却灰の利用は有効な方法と感じた。