令和6年度 自民党市議団 視察報告【二日目】

【二日目】5月23日(木)兵庫県加古川市
「ICTを活用した安全・安心のまちづくり」防犯カメラの設置・運用について

防犯カメラの設置について、本市では自主的な防犯活動の取り組み支援として、町内会・自治会等が設置する場合に設置費を補助している。あくまでも設置及び管理は団体が対象であり、申請限度は年度内5台までとなっているのが現状である。

加古川市では、これまで刑法犯認知件数が県内でも高く、また、子供の登下校時の安全確保に対するニーズが高いことや認知症高齢者が行方不明になる事案が月/数十件あることから、「ICTを活用した安全・安心のまちづくり推進事業」の取り組みを行っている。

状況は、通学路を中心に見守りカメラ1,475台、駅周辺を中心に高度化見守りカメラ150台、危険な交差点に高度化見守りカメラ3台を配置している。見守りカメラはAIを活用し、犯罪の抑止・交通事故抑止の他、データ活用型まちづくりを更に進化させている。

見守りカメラ設置の取り組みについては言うまでもなく市民の理解が不可欠であり、加古川市ではその点について、オープンミーティングや市民アンケートなど1年の時間をかけて市民の理解を得る努力を重ねた。その結果、肯定の意見が99.2%を得たとのことである。

否定の意見としては、監視社会への懸念が示されたものの、倫理フレームワークによるAI稼働前検証を行うことでクリアされた。これまで苦情はないとのことである。ここは説得力として重要なポイントと感じた。

また、子供や高齢者の見守りにも展開が図られている。これはICタグを持ち歩くと設置された見守りカメラ等でタグの電波を検知して、通過履歴をアプリで確認することが出来るもの。これは市民の見守りサービス加入が前提となる。

アンケートの結果からすると、約6割の方が見守りサービスに対して「良かった」との回答状況である。

加古川市では市民が希望すれば、この見守りサービスを利用できる体制が整っており、今後の行政サービスの目指す方向といえよう。

近年、特殊詐欺事件の増加や少子高齢化社会が進む中で、市民の安心・安全な暮らしを守る義務は行政にはあり、今後こうしたサービスが一般的になると思われる。本市の「防犯カメラの設置」に対する考え方は、地域の自主的な活動のひとつとされているが、それでは不足であり加古川市で見るように今後、行政として取り組むべき事業であると考える。