令和6年度 自民党市議団 視察報告【三日目】

【三日目】5月24日(金)高知県香美市 「移動期日前投票所の取り組みについて」

選挙における投票率の低迷については、どの自治体においても共通の課題といえよう。人口減少と高齢化が進み、そのことがさらに拍車をかけている現状である。

本市においては、駅前の商業施設内に期日前投票所を設置し、有権者に利便性の配慮をするなどの取り組みを行っている。しかし、投票所まで行くことが出来ないために棄権することも耳にしている。

香美市は町村合併により誕生し、市域が広く面積は本市の5倍、人口は18分の1の規模である。当日投票所数は70か所であり、そのうち17か所は住民が50人以下とのこと。期日前投票所は3か所設置されているが、それ以外に8か所の「移動期日前投票所」を設けることとした。

移動期日前投票所を導入した目的は将来の投票所の廃止や統合を視野に有権者の投票機会の確保の代替手段を考慮した結果といえる。

移動期日前投票所は8か所の場所で、軽の公用車を利用して1か所、約1時間実施される。直近の選挙では対象地域の有権者総数が156人で移動期日前投票所の利用は52人とのことである。これは実に微妙な数字であり、結果の数字に拘るのではなく、投票機会の確保に努力していると評価すべきだと感じた。

地政的にも人口的にも大きく異なるため、一概に論ずることは難しい。しかし、単に投票率のみではない投票機会を確保するという言葉には、共感するところである。

本市も同様に高齢化が進み、地域によっては投票所まで遠くて行くことが出来ない。また、坂道が苦痛である等、様々な声が寄せられる。前述のように配慮している取り組みがあるものの、そうした声に対する対策を鋭意研究すべきと考える。既成の投票所はそうした声に本当に適うものなのだろうか。民間の施設を一時借り上げたり、利便性の高い新たな場所を検討したりすることも大事ではないだろうか。

将来的には電子投票の時代が来ると思うが、今なすべきことについて、しっかりと課題としていきたいと思う。