平成29年度 県外視察
5月8日(月)~9日(火) 高知県高知市議会
今回の視察目的は、平成9年、当時の本市市議会議長であった竹折輝孝元市議と岡村康良高知市議会議長が交わした「両市の友好親善を深めるための合意書」に基づき、今後、より一層友好関係を深めていくことにある。
横須賀は坂本龍馬の妻お龍さんが、晩年過ごした地であり、本市大津の信楽寺にはお龍さんの墓が建立されている。毎年10月に「お龍さん祭り」が行われ、地元である大津観光協会の行事の一つとして地域住民の誇りでもある。
高知市議会では、合意書が交わされて以降、毎年、お龍さん祭りに議長・副議長が出席されている。また、市議会に対しては、坂本龍馬のブロンズ像が贈呈されるなど、これまで丁重な対応が行われてきた。
一方、本市では、合意書が交わされていることが、市議会内で周知されておらず、これまで高知市との間で積極的な対応がされてこなかったそうである。合意書が交わされて20年という節目の年に当たり、よこすか観光推進議員連盟として、名実ともに両市の友好発展をさらに進めることを目的に高知市議会を訪問し、両市議会が絆をより深めていくことを確認した。高知市を訪問したこの時期、同市では大政奉還から150年、来年は明治維新150年を記念して、「幕末維新博」が高知城歴史博物館をはじめ、偉人たちゆかりの全23会場で開催中であった。
高知は坂本龍馬をはじめ、薩長同盟に奔走した中岡慎太郎、大政奉還を建白した土佐藩主山内容堂や家老後藤象二郎、竜馬に思想的な影響を与えたジョン万次郎など、幕末の偉人たちが多く輩出されている。このような歴史風土を持つ高知市では、この1年間をかけて「幕末維新博」を観光の柱として取り組んでいる。
横須賀市議会・高知市議会の交流会が行われ、「移住してふれた高知の職と観光」の演題で(株)ストーリークルー代表取締役浅野聡子氏の講演を聞いた。
氏は30代前半の女性である。もともと高知市と縁があったわけではなく、結婚を機に高知に住むことになった。そんな「よそ者」だからこそできる発想で、高知市の活性化を図っている。同地においても人口減少は大きな問題となっている。その対策も同様に移住促進と雇用の促進=産業振興である。
高知県は見たところ、農業・漁業など一次産業が主たる産業であり、二次産業の比重は非常に少ない土地柄であると思われる。そこで、観光地が豊富なことから、観光客の誘致促進に力を入れているとのこと。その実績も徐々に上がってきている。具体には、「よさこい」に代表される祭りであり、外国客船の積極的誘致から見て取れる。
氏はそんな背景を踏まえて、「価格ではない価値による販売促進」に着目したそうである。言わば、地産地消ではない地産外商といえよう。地域内における普通の地元商品がSNSの活用で市外・県外に発信して新たな需要を見出すことで新たな価値を商品に付加させることに着目した。
このような発想が、実は新たな価値の創造ではないだろうか。大変興味深く拝聴した。
今後、高知市との関係の中で友好都市への締結に向けた提案とともに、両市が坂本龍馬・その妻お龍という共通項を活かして、観光・経済の面からも共有できることを願うものである。
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