令和4年度 自民党市議団 視察報告【一日目】

【一日目】5月9日(月)公益財団法人 大田区産業振興協会 大田区のものづくりの特徴は「仲間まわし」

大田区はこれまでも「ものづくりのまち」として、有名な地域である。テレビ番組で好評を博した「下町ロケット」に代表されるような高い技術力を持った9人以下の規模の中小零細な町工場が8割を占める。

特に切削・プレス・成形・研磨・メッキ等、金属加工としての基礎技術である多様な分野の事業者が存在することが大田区の「ものづくり」の強みであり、それぞれが持つ一点突破の高度な技術を襷リレーのように隣接した工場間でつないでいくと、最高の技術が結集し、素晴らしい製品が完成することができる。このように仲間内で作業を回していく「仲間まわし」が大田区のものづくりの特徴となっている。

大田区産業振興協会では、こうした「ものづくり」の環境を現代に生かして、過去の大手企業からの仕事を待って仕事をする「下請け」体制から脱却して、自らの技術を発信することで付加価値の高い仕事を目指すためのマッチングや様々なサポートに取り組んでいる。

本市においては、同様に「公益財団法人横須賀市産業振興協会」があり、関係機関・団体と連携して既存の市内中小企業に向けた経営支援、創業支援、起業人材育成支援等を行う業務を行っている。特に近年のIOT導入支援やDX化支援等、時代の変化にしっかりと追従できる企業体質が求められる中での支援が求められている。そのような取り組みなど共通するものである。

そのための産業振興に関する交流会、シンポジウム等の交流会も開催しているが、比較するとその規模の違いや取り組みの深さに決定的な違いを感じる。

大田区では、培ってきた産業支援のノウハウを駆使し、ものづくりの課題や経営課題の解決に向けた伴走サポートを行っている。さまざまな課題を解決するために、独自の見本市・商談会を開催し、ビジネス機会の提供として海外展開サポートも積極的に行っている。

本市には、長年にわたって造船や自動車関連部品の生産で培ってきた、高い生産技術や品質管理技術等の優位性を持つ企業が多く存在しており、それらの技術をこれまでと違う異業種に生かしていくことが求められている。

今後の本市の「ものづくり」を絶やすことなく発展性を持たせるために、本市の製造業の特徴を生かした情報の発信や技術力を紹介する取り組み等、積極的に行っていく必要をこの視察で感じることができた。