令和5年度 都市整備常任委員会所管事務調査【三日目】

【三日目】愛知県瀬戸市 空き家等に対する取り組みについて

空き家対策は、瀬戸市や本市だけでなく全国的に深刻な社会問題化している。本市の空き家率は2010年時に12.2%が2023年には14.8%と全国平均の13.6%を上回る現状である。

一方、瀬戸市においては、2013年の12.6%が2018年には12.2%になり、2020年には7.2%に減少したと聞いている。この視察において、その数字の違いについて学ぶことができれば幸いである。

瀬戸市では2018年に「瀬戸市空き家等対策計画~せとで住もまいプロジェクト~」を策定し、中心市街地活性化・空き家コーディネーターの活用や子育て支援、特定空き家対策に注力している。

せともので有名な同市は、古くから「焼き物のまち」としてその作り手や分業の歴史があり、それぞれの分野の担い手が集まる土壌がある。その特性を現代に置き換えて、様々な人々が移住しやすくすることが、空き家対策の特徴といえるのではないか。

話を聞いた感想としては、施策が計画通りに完成されているとは思えないものの、不足する部分は民間の知恵や協力を得ながら進めているとの感触を得た。実際に近隣の2件の実例を視察したが、築100年の元旅館は大学教授の協力を得て、学生のシェアハウス兼地域コミュニティスペースとして開放している。また、もう1件は旧洋品店の跡地利用として、開発事業者の協力を得て1階部分をシェアキッチンスペース、2階をコワーキングスペース・会議室として貸し出しを行っているものであった。街中の残したい建築物を廃屋にせず再利活用するという意味では興味深いものがあった。

瀬戸市を見た感じでは、かなり高齢化が進んでいるように思え、今後増加するであろう一般住宅における空き家対策が大事と考える。その意味では、空き家対策の協議会の設置やコーディネーターの役割の重要性をしっかりと構築することが重要との思いである。