令和3年度 自由民主党 視察報告【三日目】

【三日目】11月12日(金)「東京九州フェリー航路について」

 今年7月から就航した横須賀~新門司港、東京九州フェリーに帰路乗船し、その現状と効果について検証を行った。

 まず、乗船場所である新門司港フェリーターミナルだが、JR門司港駅よりバスで約30分、当日は雨のためタクシーを利用したところ料金は約3,000円だった。その立地も新門司地区産業用地内にあり、周囲にはフェリーターミナルがあるだけで何もなく便の良い場所とは言い難い。本市新港のフェリーターミナルのように最寄りの駅まで徒歩約15分という立地は全国を見渡してもないと思う。それだけに近隣に対する配慮と地域の理解が欠かすことはできない。

 横須賀→新門司航路の利点は何と言っても首都圏までのスピードと定時性である。この点は他フェリー会社のどこにも負けない強みであると船長も述べている。

 同航路は高速フェリーとして、太平洋沿岸域を航行しているが、年間を通じて多少の波があっても総じて穏やかであるとのこと。就航以来、2回欠航したが、それは台風の影響によるものだそうだ。

 今日の乗船客は平日のためか約50名(内、15名がトラックドライバー)、当然週末の乗船客はより多く、個室は満室の状況とのことであった。一方、扱う貨物については、長距離トラックよりもシャーシーとしての利用が多いと聞いている。まさに、これは現在の長距離輸送の形がモーダルシフトへ移行しつつあることを表している。

 就航後、まだ日が浅いことに加えて、コロナ禍の影響もあって目指す業績には程遠いと思われるが、社会が落ち着き道路網の整備が整うとき、本来の海のバイパスとして重用されることを期待したい。

 横須賀新港は利用する側からすれば、路面の補修や段差の解消など、これまできめの細かな対応がなされてきたことなど評価は高いものがある。しかし埠頭の広さには限界があり、その中でやりくりする必要がある。今後の利用状況を慎重に見ながら、2号岸壁の整備を視野に研究していくことを望むものである。