平成29年度 都市整備常任委員会他都市調査【三日目】

【三日目】10月25日(水) 熊本県熊本市
「災害復旧への取り組みについて」

⑴熊本地震後の議会の対応について
 平成28年4月に発生した熊本地震は、4月14日(木)午後9時26分の前震と4月16日(土)午前1時25分の本震の2度にわたる大きな地震災害であった。この地震により、本会議場の天井崩落、トイレのタイル崩落など、多数の被害があり、現在も予算決算委員会室を本会議場として使用し、議会運営を行っている。

 地震発生時からの議会事務局の対応は、議員の安否確認、災害対策本部からの情報を各議員へ連絡するなどの業務を行った。発災直後は携帯電話等がつながりにくく、議員の安否に時間を要したとのこと。また、災害対策本部からの情報を議員へ提供する際、情報量が多いためファクス通信に多大な時間を要した。議員からの要望等は事務局で取りまとめて関係課に伝えたが、一部、議員から部局に対する直接的な動きもあり、対応時の問題点といえる。

 そのような中、4月25日に全員協議会が開催され、執行部より被害状況を聴取した。6月10日に会期1日の第2回定例会が開催された。説明によると、議会事務局職員28名も避難所運営等の業務に従事していた中で、議会を開催するにあたり最少の人数で対応せざるを得なかったと伺い、本市でも災害時を想定する際に同様なシュミレーションを行い、議会としてやれること、やれないことを把握しておく必要を感じた。

⑵道路の被災・復旧状況について
 市内中心部ではあるが、ホテルから市役所へ向かう道程で感じたのは、かなり復興は進んでいる様子である。新築中の建物がある一方で更地となっているところも多く目にする状況だ。
 当時の被害状況は「熊本城」以外にも多くの重要文化財のほか、ビルの倒壊やクラックなどがみられたが、液状化による陥没、土砂災害、道路の被災、橋梁など構造物被害など多く見られた。
 そうした中で、各種団体との間で締結された「災害時相互応援応急活動に関する協定」が生かされたことは言うまでもない。地震発生後の被災状況の調査・点検の結果、課題とされているのは
①被害箇所が多く(道路約7400か所、橋梁650か所)市内部での情報の錯綜で地元業者への依頼の重複等が生じた
②契約手続きにおいて、業者の資格・随意契約の適用理由等の調整に時間を要した
③災害査定に不慣れな職員または、受託業者が査定に必要な調査根拠を得ないまま、工事に着手した
④業者が確保できず、入札不調が続いた

 そうした課題への対応は、
①市が管理する各道路施設に対し、災害時の対応依頼先を事前に整理
②異常時点検、災害復旧作業にかかる業者の選定や、契約方法の明確化
③災害査定に関する手続きや成果レベルの共有
④復旧工事等の契約に関する緩和措置等について関係部署と必要な調整
 こうしたものを含むマニュアルを検討中として、今後、関係部署、各団体との調整を進めていく予定とのことである。

 特に印象深いことは、熊本市における地籍調査の進捗率である。43パーセントとされているが、これは本市と比べて大きな差があることだけでなく、災害時の速やかな道路復旧ができた一因であると思われる。この点においても本市が見習うべき点があるのではないだろうか。