令和3年度 自由民主党 視察報告【二日目】

【二日目】11月11日(木) 北九州市港湾空港局港営部港営課
「北九州港について」

 北九州港は明治22年に開港し、当時の門司港が石炭・コメ・麦・麦粉・硫黄の5品目の特別輸出港の指定を受けた。戦後、北九州市が発足し、門司・小倉・洞海の3港が合併し、現在の基礎となった。

 北九州港の特徴は約1000キロ圏内に東京・上海、約500キロ圏内に大阪・ソウルが収まる立地であり、それが強みとなっている。また、周辺には化学製品・ゴム・化学工業製品・鋼材・自動車部品等の工場があり、アジア圏への複数航路が就航する好立地にある。こうした条件の下で大きく輸出入において実績を上げていることから、同じ県内にある博多港とは自然に差別化が図られ、北九州港独自の港湾戦略が成立していると思われる。

 このように港湾の特性を活かすとともに様々な需要に応えることができる港湾戦略を図ることは、京浜港に隣接する本市の港湾にも言えることではないか。
また、同じことは内航にも言えることで現在北九州港では8つの内航フェリー・内航RORO航路が就航している。そのうちのひとつが本市と新門司港を結ぶ「東京九州フェリー」である。東京(首都圏)に向けて、スピード・定時性の点については本市港湾も「売り」であり、近い将来、横横道路と環状横浜南線の直結が実現すれば、さらにそのメリットは大きく、北関東圏にも影響が及ぶだろう。

 本市港湾の未来を考えたとき、久里浜港の整備、ポートセールス・横須賀新港における2号岸壁の早期整備は、新港の多機能運用のために欠かすことができないものと考える。多機能化とは海上コンテナも扱うことであり、そのための物揚げ場整備である。

 敷地が広くまだまだ余地がある北九州港に比べ、用地が狭くフェリー就航で限界となっている新港は、コンパクトな複合型物流拠点を目指すべきであり、用地の整備計画を喫緊の課題として検討すべきと考える。