平成30年度 自由民主党 県外視察【一日目】

【一日目】5月22日(火) LCA国際学園(相模原市)
「LCA国際小学校における英語教育について」

 古くは徳川家康に仕えた「青い目の侍」三浦按針(ウイリアム・アダムス)、日本開国のシンボルといえるペリー提督、横須賀製鉄所の建設に深く関わったフランス人技師ヴェルニーなど、本市は歴史的に外国人との関わりが深い街といえる。また、在日米海軍横須賀基地を抱えていることから、他都市に比べ市民は様々な形で外国人と触れ合う機会がある。

 今日のグローバル社会の進展とともに国際共通語としての英語の重要性は増してきており、新学習指導要領では高学年で教科化されるなど、外国語教育の一層の推進が図られている。

 今日の視察先である「LCA国際小学校」は、学校教育法第134条に基づく各種学校として都道府県知事の認可を受けている非1条校ではなく、学校教育法1条に定められた1条校である。したがって、カリキュラムは学習指導要領に準拠している。同校では、国語以外のほとんどの教科を英語で行うイマージョン教育を取り入れている。教員の6割がネイティブで1クラス20人と少人数制で、1~5年生は外国人が担任を務め、学校生活の大半を英語で過ごす。外国語教育の推進が求められる中で私立校だからこそできるスタイルであろう。

 私立校であるため、当然に学費がかかることになる。1年間の学費が150万円のほか、教材費・施設費に加えて給食費・スクールバスの料金等、公立校とは比較にならない金額である。その結果、入学する子弟はそれなりの負担が出きる家庭の子弟に限られることはいうまでもない。同校では、「教えるから慣れる」ことを英語教育の指針としているそうである。この言葉が印象として残っている。低学年ではほとんどの授業が英語で行われ、ランチや休み時間も一緒に過ごし日常的に英語を使う。さらに高学年ではコミュニケーションスキルを身に着けていくというイメージである。

 英語に慣れることについては、私立校でも公立校でも目指すものは共通であろうと考える。ただ、公立校でできることには限界があるということだろう。現在、本市小学校では対象校である48校に21名のALTを配置し、低学年で年/10時間・中学年/15時間・高学年で年間50時間を履修することとしている。

 このことを単純に「LCA国際小学校」と比較することは無理があると思うが、児童生徒が英語と触れることから、慣れていくことについて共通するものと考える。したがって、本市内の公立校における国際コミュニケーション能力の向上については、ALTをさらに活用して、英語を母国語とする外国人と直接触れ合う機会を設けて豊かな人間性と国際コミュニケーション能力を備えた人材の育成を図っていくべきと考える。