平成28年度 視察報告【一日目】


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【一日目】4月12日(火) 東京都港区 子ども家庭支援課子ども家庭課
「港区父親手帳について」

近年、「イクメン」「育休」などという言葉が巷間よく聞かれるところである。しかし、現代社会がその言葉通りに環境が整備されているかと言えば、まだそこまで至ってはいないと言えるのだろう。それでも徐々にではあるが、企業による「育児休暇」の取得を促す事例も多くなり、本市においても、その認知度が上がっているように感じる。
今回の視察のテーマである「港区父親手帳」は、仕事と家庭のワークライフバランス事業の一環として、父親の育児参加促進を目的に、区民への情報発信が出来るものとして作成された。
平成26年の初版から現在の第3版まで、これまで8500部発行されている。「父親手帳」発行により期待される効果は、育児をしたいと思っている父親たちにこの手帳を読んでもらうことで、妻に寄り添い、育児の負担感を和らげることで、家族としての絆を深め、子育てしやすい家庭環境づくりに役立てることである。
港区では、近年の人口動向の中で、都心回帰の傾向が現れており、合計特殊出生率も1.39と都区内でも高い水準にある。また、区内には本社機能を持つ法人が多く、勤務する父親の育児参加に対する意識が高いと言われている。
そうした中、実際に育児への関わり方が分からないなどのニーズに応える意味から、講習会の開催や相談体制の整備が図られている。
「港区父親手帳」の発行に当たり、東京都が作成した父親手帳をプロジェクトチームが参考にして、プロポーザル方式により、民間業者に作成を依頼したとのことである。
このような取り組みの中で、父親の子育て参加への普及啓発が進むことで、育休の推進に繋げたいとの思惑であろう。
実際に、この父親手帳を母子手帳の配布に合わせて手渡すケースが多く、母親になる女性が持ち帰るようである。
第3版まで作成されたことは、好評をいただいている証とも言える。
前述したように、港区では、子育て世代の定住の促進を目指しており、父親手帳以外にも、出産・子育て応援メールや両親学級の開催、子育て広場の設置等の取り組みがめざましい。
また、一方で学童クラブが不足しているなどの課題もあると聞く。財政的に恵まれる港区ではあるが、本市においても父親手帳を作ることによって、未だ定着しきれているとは言えない地域企業の理解の拡大に繋がる事業となり得るのではと、期待する次第である。