平成28年度 視察報告【三日目】

【三日目】4月14日(木) 秋田市教育委員会
「秋田市の学力向上に係る取り組みについて」

全国学力・学習状況調査において、常に全国トップにある秋田市を訪問し、学力向上への取り組み状況の説明を受けた。
秋田市では、独自に児童生徒の学力の実態を把握し、その分析結果を学習指導の改善に生かすことを目的に、小学校5年生と中学校2年生を対象に、平成6年度から継続実施している。
調査問題の作成には、「全国学力・学習状況調査」との関連を踏まえ、各教科において、基礎的・基本的な知識や技能に加え、身につけた知識や技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力を含め、調査する内容となっている。
聞いたところ秋田市では、かつて、全国学力・学習状況調査において、全国平均を下回るレベルだったそうである。
そうした状況に危機感を抱いた教師が自主的に始めたのが「教科研修会」であり、そこで研究や議論が重ねられた結果授業の改善に繋がったとのことである。

⑴具体的な取り組み
・計画訪問:教育委員、教育指導主事、教科指導員による計画的な学校訪問
・要請訪問:要請に応じて
⑵教職員研修
・全71講座
・専門研修において各教科の小中合同研修会
・全市一斉授業研究会

など、秋田市独自の積極的な取り組みがある。
そして、伝統的な環境として、世代間を超えた家族が今でもある地域があり、仮に両親が仕事で不在でも、祖父母が子どもたちを見る空気感が残っているそうである。そのためか、通塾率も小学校12.7パーセント、中学校30パーセントと他地域に比べて低いとのこと。
重要とされる家庭学習についても、このような環境が大きく影響しているようだ。宿題や家庭学習ノートの活用に好影響を与えている。
また、地域の子どもたちに対して、地域で育むという環境がある。これは、農業が主体だった名残なのか、学校、地域、家庭の連携が当たり前になっている。羨ましい限りである。
本市においては、全国学力・学習状況調査の結果が、全国平均レベル以下の状況改善が急務であり、対策を迫られている。先ずは、教員の体質改善が必要ではないか。
問題意識を放置せず、改善を図る積極性が何よりも必要である。そのためには、教育委員会もただの管理組織にならずに、一体的に取り組まなければならない。
また、地域でも子どもたちに対して、ある程度関与していく必要があると感じた。
教育・子どもは、国家100年の大計である。じっくりと丁寧に取り組んでいかなければならないが、一方で優先順位を決めて、早期に対応しなければならないものもある。
本市教育委員会は、その点を見極め、学校、家庭との連携策を講じなければならない。