平成30年度 自由民主党 県外視察【二日目】

【二日目】5月23日(水) 広島県呉市
「プロモーションPVについて」「呉市観光振興策について」

 呉市は、本市と同じく戦前は鎮守府が置かれていた旧軍港4市のひとつであり、当時の旧軍関連の史跡が日本遺産として認定されるなど、そうした歴史遺産を戦略的・効果的に情報発信を行うため、積極的にシティプロモーションに取り組んでいる。

 呉市のブランド力の強化・都市イメージの向上を図り、「訪れてみたい」「住んでみたい」と感じてもらうことを目的にシティプロモーション業務がスタートした。呉市には、大和ミュージアムをはじめ、鉄のくじら館など集客力のある施設があるものの、観光客はその他の場所に寄ることなく帰ってしまう。そこで、認知度は低いが魅力のある「瀬戸内らしい」ものを新たな呉市の魅力として発信することで、通過点から周遊・宿泊する形に変えていくことを目的とした。

 その対応として考えたことが、SNSを活用する方法である。SNSで最も拡散力があるのは30代から50代とされ、その年代を対象に興味を抱くような動画とキャラクターを考案することとした。また、これまでの魅力(市中心部)と新しい魅力(瀬戸内らしさ)をプロモーションすること、そしてアピールするために楽曲の選択も年代に合わせることにした。

 平成28年度からスタートした同事業は、プロポーザルによって事業者を決定し、動画とキャラクターで全国的な話題化を目指した。その結果、初年度にYouTubeの動画再生回数が15万回を達成し、民放キー局からの取材依頼など、大きな反響を得ることができた。その効果は約3億円以上の宣伝広告効果と言われている。

 事業の初年度から現在まで推移してきているが、さらにファン層の拡大や来訪の促進を図る意味からインスタグラムの開設を展開していくとのことである。シティプロモーションに重要なことは全国への情報発信だけではなく、併せて地元への発信も必要ということだ。外からの来訪や興味が市民にとっての新しい呉市の魅力の再発見につながるということである。

 以上のことから、本市のシティプロモーションを考えてみると、ヒントになることも多いと感じる。例えば、本市のホームページを見ると、動画の手法は取っていない。文字による紹介のみである。これではより多くの人の目に映る機会は少ないと思われる。情報の発信について研究の余地があるだろう。

また、そうした取り組みには商工会議所や観光協会などと一体に行うことも重要である。その意味では、市の外郭である観光協会の組織にも一考の余地があると思う。こうした努力によって、様々なアイデアが生まれてくるのではないだろうか。