平成30年度 教育福祉常任委員会 他都市調査【二日目】

【二日目】10月24日(水)姫路市
「姫路市生涯現役推進計画」

 姫路市は、本格的な高齢社会の到来と少子化の進行、平均寿命の伸長と価値観の変化を背景に、平成22年より「姫路市生涯現役推進計画」を策定し以来、生涯現役社会の実現を目指して様々な施策を推進してきた。

 姫路市の高齢化率は、25.7%(平成28年)と、全国と比べて若干低いものの、少子高齢化が進んでおり、今後も続くと考えられることから、高齢者が健やかで自立した生活を送り、社会を支える一員として、活躍し続けることができる社会の実現のために、「姫路市生涯現役推進計画」を策定したとのこと。

 同計画の目的は、①「生涯現役」についての論理的な整理②生涯現役に関する施策の再構築③生涯現役に関する施策を推進するための仕組みづくりである。

 このことについて「基本計画」と「アクションプラン」により構成し、基本計画の期間は11年間としたが、平成26年度に後期アクションプランを定めた改訂を行った。

 姫路市独自ともいうべき同計画の策定に当たり、まず現状の把握を行い、高齢者を取り巻く環境や生涯現役に関する現状を、把握することから始めた。そして、「健康」「自立」「活動」を生涯現役として構成する3要素と捉え、その効果的な施策の体系を構築するものとした。

 計画の推進には、市民、企業、行政、関係機関の各主体が参加する組織として「姫路市生涯現役推進協議会」を立ち上げ、それぞれの役割確認、特性を生かした協働の取り組みを行うこととした。

 そして、「数値目標の設定」や「PDCAサイクルの設定」「評価と改善内容の公表」など、計画的な進行管理を進めるための方針を設定した。このような仕組みづくりの結果を図る尺度として、16項目の質問に対する回答を点数化し、その合計で生きがい感の高低を測ることとしている。

 この調査結果では、生涯現役に関する市民意識及び生活実態調査結果に大きな変化はなかったものの、「生きがい感」が高い人が増加したとの結果が出たそうである。

 生涯現役に関する施策を語る中で、高齢者にとって、「生きがいとやりがい」をどのように感じてもらうことができるのかということが重要である。そのことに各自治体は苦慮していると考える。考えられる各事業は部局を超えて多岐にわたる。そうした事業を一元的かつ一体的に取り組んでいる姫路市の取り組みは、画期的といえるのではないだろうか。